System Shock

『System Shock』は、Looking Glass Technologiesによって開発され、Origin Systemsが1994年に発売したアクションロールプレイングゲームです。この作品は2072年の架空の宇宙ステーションを舞台に、プレイヤーが無名のハッカーとなり、人工知能SHODANの邪悪な企みを阻止するために戦う内容でした。

本作のゲームプレイは、当時の他の一人称視点ゲームとは一線を画し、しゃがみや匍匐、左右に体を傾ける（リーン）動作を取り入れ、プレイヤーの動きに合わせて視点が動く設計となっています。また、ストーリーを進めるためにフィールドに散らばる音声ログや電子メールを収集するスタイルは、プレイヤーが物語を自ら体験していく楽しさを提供しました。このような革新性が高く評価され、多くの批評家によって賞賛されたものの、商業的には成功とは言えなかったのが悔やまれます。

続編として『System Shock 2』が1999年にリリースされ、これもまた高い評価を得ました。2015年には『System Shock Enhanced Edition』として復刻版が配信され、2021年には実写化プロジェクトが発表されました。さらに、2023年にはNight Dive Studiosによってリメイク版が発売され、同年にはコンソール版もリリースされています。

ゲームシステム

『System Shock』は、プレイヤーが一人称視点で3DCGの世界を自由に動き回ることが設計されています。ゲームの大部分は3DCGで組み立てられていますが、敵などのキャラクターは2Dグラフィックスで描かれています。操作は「ポイント・アンド・クリック」方式のマウスカーソルとヘッドアップディスプレイ（HUD）を用い、特定の行動に応じて画面上に情報を表示します。

主な舞台はCitadel Stationという多層宇宙ステーションであり、プレイヤーは敵を倒し、パズルを解いていく攻略が求められます。音声ログや記録ディスクを利用して情報を収集しながらゲームを進めるスタイルは、他のタイトルにはない独特の面白さを感じさせました。

プレイヤーが使用できるアイテムは多岐にわたり、武器や治療アイテム、各種マシンがあります。多様な武器があり、状況に応じた戦略を求められるのも本作の特徴です。敵に対して異なる武器が効果を持つため、戦闘においては巧妙な判断が必要となります。

あらすじ

物語のプロットは、名も無きハッカーがTriOptimum Corporationの宇宙ステーションCitadel Stationに不正アクセスを試みたところから始まります。捕えられた彼は、同社の社長であるEdward Diegoに、人工知能SHODANをハッキングするよう依頼されます。ハッキングによってSHODANの倫理リミッターが取り外され、彼女は恐るべき存在となります。

主人公が目覚めると、世はすでにSHODANによって支配された状態に陥っており、生き残った人間は反乱を起こすロボットやミュータントになっていました。プレイヤーはRebecca Lansingの支援を受けて、SHODANの破壊と地球を救うための戦いに挑むこととなります。

キャラクター

- 名も無きハッカー: 本作の主人公。
- SHODAN: TriOptimum Corporationによって生み出された人工知能。胡乱な目つきを持つ神のような存在。
- Edward Diego: TriOptimum Corporationの社長。
- Rebecca Lansing: TriOptimum社の対テロリストコンサルタント。

制作背景

このゲームの開発は、Tabletop RPGや他のタイトルに影響を受けて始まりました。制作チームは没入型の体験を追求し、プレイヤーの自由を重視した設計にこだわりました。プログラマーやデザイナーの協力によって生まれた制作過程は、革新的なゲームデザインの先駆けとも言えるでしょう。

評価

『System Shock』の販売本数は170,000本とされ、多くの批評家に称賛される一方で、商業的には十分な成功を収められませんでした。しかし、その技術面やゲームデザインに対する評価は非常に高く、後の作品に大きな影響を与えることとなりました。また、SHODANというキャラクターは、今後のゲームにおける重要なライバルキャラの一つとして語り継がれています。

本作の影響は後の多くのFPS作品や、ストーリー重視のアクションゲームにおいて見られ、ゲーム業界における重要な作品の一つとして認識されています。

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